AIに作業を頼む時、最近かなり効いている小さな工夫があります。
それは、頼む前に「やらないこと」を書くことです。
AIに頼めば楽になるはずなのに、気づくと記事案、管理表、次の作業まで増えている。確認する量も増えて、かえって疲れる。そういう時に効いたのが、この小さな書き方でした。
結論から言うと、AIへの依頼には「やること」だけでなく「やらないこと」も書く。複雑な作業や、公開・削除・設定変更のように戻しにくい操作がある時ほど、作業範囲と停止位置が見えやすくなります。
文章を整えてもらう。調べものをしてもらう。メモを整理してもらう。資料のたたき台を作ってもらう。
AIはかなり便利です。
ただ、雑に頼むと作業が広がりすぎることがあります。
たとえば、
このメモ、いい感じに整理して
と頼む。
するとAIは、かなり親切にいろいろやってくれます。
要約する。
見出しをつける。
改善案を出す。
追加でやることを提案する。
場合によっては、別の記事案やテンプレートまで出してくれる。
これはこれでありがたいです。
でも、こちらが本当にやりたかったのは、ただメモを読みやすくすることだけだったかもしれません。
気づいたら、確認する量が増えている。
やることも増えている。
どこまで見れば終わりなのか分からない。
AIに頼んだはずなのに、なぜか自分の作業が増えている。
こういうことがありました。
たとえば、ただこう頼んだとします。
記事を確認して改善してください。
これだけだと、タイトル変更、本文修正、新しい記事案、内部リンク追加、台帳更新まで広がるかもしれません。
でも、本当に必要なのは「この記事1本の本文を少し読みやすくすること」だけかもしれない。
この記事1本だけを確認する。
タイトルとURLは変えない。
他の記事、台帳、固定ページには触らない。
公開操作は人間に戻す。
ここまで書くと、対象、範囲、停止位置、人間が判断する場所が見えやすくなります。
そこで、最近はAIに頼む前に、こう書くようにしています。
今回やること:
このメモを読みやすく整理する
今回やらないこと:
新しい案は出さない
記事本文は作らない
タイトル案は出さない
これだけで、作業の範囲がかなり狭まります。
AIに頼むと広がりすぎることがある
AIに雑に頼むと、よく起きる困りごとはこのあたりです。
- 余計な提案が増える
- どこまでやれば完了か分からなくなる
- 本来やらなくていい作業まで出てくる
- こちらも確認する量が増える
AIは、基本的に親切です。
こちらが何をしたいのか曖昧なままでも、それっぽく補ってくれます。
ただ、その「補ってくれる」が、作業を広げる原因にもなります。
たとえば、文章を直してほしいだけなのに、構成案まで増える。
調べものを頼んだだけなのに、次の施策まで出てくる。
メモを整えてほしいだけなのに、記事化やテンプレ化の提案まで出てくる。
もちろん、それが助かる時もあります。
でも、毎回それをやられると重い。
特に、小さな仕事を片付けたい時には、AIの提案力が少し強すぎることがあります。
小さな仕組み:「やらないこと」を先に書く
そこで、自分なりに決めた小さなルールがあります。
AIに頼む前に、「やること」だけでなく「やらないこと」を書く。
これだけです。
AIも、「ここまではやる」「ここから先はやらない」と分かりやすくなります。
こちらも、出てきたものを確認しやすくなります。
基本テンプレ
今のところ、使いやすい形はこれです。
対象:
今回やること:
やらないこと:
完了条件:
停止位置:
それぞれの意味は、こうです。
- 対象:何を見てほしいか
- 今回やること:今回AIに頼む作業
- やらないこと:今回広げない範囲
- 完了条件:何が出たら終わりか
- 停止位置:人間へ戻す場所
必要なら、参照資料も足します。どの資料を見てよいかを決めておくと、AIが別の情報まで拾いにいくのを防ぎやすくなります。
毎回、全部をきれいに埋める必要はありません。
でも、最低限、
- 対象
- 今回やること
- やらないこと
- 完了条件
- 停止位置
だけでも書くと、かなり楽になります。
大事なのは、「AIに何をしてほしいか」だけでなく、「今回はどこまでで止めるか」を先に決めることです。
「やらないこと」は、AIを縛るためというより、人間とAIの間で今回の仕事の輪郭を共有するためのものです。
使い方例
文章を直してほしい時
たとえば、文章を少し読みやすくしたい時。
対象:
以下の文章
今回やること:
読みやすく整える
言い回しを少し自然にする
今回やらないこと:
内容を大きく変えない
新しい主張を足さない
タイトル案は出さない
別記事にはしない
参照資料:
本文のみ
完了条件:
整えた文章を1本出す
変更の意図を3行で説明する
このくらいで十分です。
「いい感じにして」よりも、かなりブレにくくなります。
調べものを頼む時
調べものは、特に広がりやすいです。
AIに頼むと、関連情報までどんどん出してくれます。
だから、最初に範囲を切ります。
対象:
○○についての基本情報
今回やること:
概要を調べる
重要なポイントを5つにまとめる
今回やらないこと:
商品比較はしない
購入判断はしない
専門的な深掘りはしない
長いレポートにはしない
参照資料:
公式サイトまたは信頼できる一次情報
完了条件:
5分で読める長さにまとめる
分からない点は分からないと書く
調べものでは、「分からない点は分からないと書く」もかなり大事です。
AIは、つい自然に埋めてくれることがあります。
でも、判断に使うなら、分からないことは分からないまま残した方が安全です。
メモを整理してほしい時
メモ整理も、よく広がります。
ただのメモ整理のつもりが、TODOリスト、企画案、記事案、テンプレ案まで出てくることがあります。
そういう時は、こう頼みます。
対象:
以下の雑メモ
今回やること:
重複をまとめる
大きなテーマごとに分ける
次に見ることを3つだけ出す
今回やらないこと:
新しい作業は増やさない
正式な計画にはしない
記事化しない
実行しない
参照資料:
このメモだけ
完了条件:
整理したメモ
次に見ること3つ
今やらないこと3つ
ポイントは、「次に見ること」と「今やらないこと」を分けることです。
やることだけ増やすと、また重くなります。
やらないことを書くメリット
「やらないこと」を書くメリットは、かなりあります。
- 作業範囲が狭まる
- AIが余計な方向に広げにくくなる
- 確認が楽になる
- 終わりが分かりやすくなる
特に大きいのは、終わりが分かりやすくなることです。
AIに頼む時、意外と困るのは「どこで終わりにするか」です。
AIは、頼めば次々に出してくれます。
改善案。
別案。
追加案。
次のステップ。
でも、全部見ていたら終わりません。
だから最初に、完了条件を書きます。
完了条件:
Markdown 1本を作る
要約を3行で出す
次にやる候補は出してもよいが、実行しない
ここまで書いておくと、AIも人間も止まりやすくなります。
注意点
この方法は便利ですが、あまり重くしすぎない方がいいです。
毎回、完璧な指示文を書こうとすると、それ自体が面倒になります。
小さい作業なら、これくらいでも十分です。
今回やること:
メモを整理する
今回やらないこと:
新しい案は出さない
記事化しない
この2行だけでも効果があります。
逆に、短い質問、雑談、単純な言い換え、1か所だけの確認なら、毎回この形にしなくてもいいと思います。戻しにくい変更を含まない作業まで、全部を仕様書にすると、それはそれで疲れます。
それから、危ない作業はAIに任せきらない方がいいです。
たとえば、
- 公開
- 削除
- 送信
- 設定変更
- お金に関わる判断
- 個人情報や顧客情報を扱う作業
こういうものは、最後に人間が確認する。
AIには、下書き、整理、検出、要約までを頼む。
実行するかどうかは人間が決める。
このくらいの距離感が、今のところ安全だと思っています。
まとめ
AIに頼む時は、「やること」だけを書くと、作業が広がりすぎることがあります。
だから、最初に「やらないこと」も書く。
たったそれだけで、AIの出力がかなり扱いやすくなります。
対象:
今回やること:
やらないこと:
完了条件:
停止位置:
この小さい型を使うだけで、
- どこまで頼むか
- どこから先は頼まないか
- 何が出てきたら完了か
- どこで人間に戻すか
が見えやすくなります。
AIに作業を丸投げするのではなく、最初に小さく範囲を決める。
それだけで、AIとの作業はかなり楽になります。
次に読むなら
この話に近い記事として、次の3本もあります。
今日の一文
AIに頼む前に「やらないこと」を書くと、作業が広がりすぎず、確認もしやすくなる。小さな仕事ほど、最初に範囲を決めるだけでかなり楽になる。

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