スマホの位置情報で職場への到着と退出を約1か月記録した結果

手入力の記録は、続けようと思ってもなかなか続かない。

特に勤務時間のように、毎日同じようで少しずつ違うものは、あとから思い出して書こうとするとすぐ曖昧になる。

以前、私は「職場への到着と退出を、スマホでほぼ自動記録できるか」という実験を始めた。

実験の始まりはこちらに書いている。

早出時間をiPhoneで自動記録できるか|位置情報とショートカットの実験

今回は、その後に残った記録を整理する。

今後この職場へ出勤する予定がなくなったため、追加観測は行わず、手元にある記録でEXP-003を一区切りにする。

なぜ自動記録を試したのか

契約上の勤務時間は、原則として9:00から17:00だった。

ただ、実際には9:00ぴったりに職場へ着くわけではない。

準備のために少し早く着く日もある。帰る時も、17:00ちょうどに職場付近を離れるとは限らない。

それが毎日どれくらいなのか、自分でもはっきり分かっていなかった。

ノートへ書く。Excelへ入力する。帰宅後に思い出す。

そういう方法も考えたが、たぶん続かない。

そこで、人間が毎日がんばって記録するのではなく、スマホを持って移動するだけで記録が残る形を試した。

使用した仕組み

使ったのは、iPhoneショートカットの位置情報オートメーションである。

職場付近への到着を検出したら、Appleメモの「勤務時間ログ」へ到着時刻を追記する。

職場付近からの出発を検出したら、同じメモへ退出時刻を追記する。

Googleマップのタイムラインは、記録漏れや位置情報の確認用として補助的に使った。

最初からスプレッドシート連携まではしなかった。

設定を増やしすぎると、勤務時間の記録実験ではなく、連携設定の実験になってしまうからだ。

約1か月記録した結果

通常勤務として扱える記録は25日分あった。

集計した結果は次の通りである。

項目 結果
通常勤務として扱った日 25日
9:00より前に到着した日 25日
9:00より前の到着時間合計 586分、9時間46分
1日平均の早着時間 約23分26秒
最も早い到着 08:30
最も遅い到着 08:42
17:00より後の退出時間合計 139分、2時間19分
1日平均の17:00後退出 約5分34秒
所定9:00〜17:00の外側に記録された時間 725分、12時間5分
到着から退出までの単純な職場滞在時間合計 212時間5分
1日平均の単純な職場滞在時間 約8時間29分

数字だけ見ると、かなりはっきり傾向が出た。

25日すべてで、9:00より前に職場付近へ到着していた。

平均すると、9時始業の約23分前に到着していたことになる。

また、17:00より後に職場付近を離れた記録もあり、平均すると約5分半ほど後ろに出ていた。

集計から外した記録

すべての記録を、そのまま勤務として扱ったわけではない。

2026年6月14日夜の21:10到着、21:24退出は、通常の9:00〜17:00勤務ではない。

既存記事では、到着・退出オートメーションの手動テストとして扱われているため、通常勤務の集計から外した。

2026年6月30日の15:02到着、16:26退出は、勤務ではなく私用で立ち寄った記録なので除外した。

また、2026年7月15日と2026年7月20日には、退出と再到着が同じ時刻付近で連続して記録されていた。

これは位置判定の揺れや再検出の可能性があるため、別勤務として二重計上せず、その日の最初の到着と最後の退出で集計した。

この記録で分かること

この実験で分かったのは、スマホの位置情報でも、職場付近への到着と退出の記録はかなり実用的に残せるということだ。

少なくとも今回の範囲では、毎日手で入力しなくても、あとから勤務前後の傾向を振り返る材料になった。

自分の感覚としても、「なんとなく早く来ていた気がする」ではなく、「平均すると約23分前に職場付近へ着いていた」と見えるようになった。

これは大きい。

記憶だけだと、どうしても曖昧になる。

たまに早かったのか、ほぼ毎回早かったのか。

5分くらいだったのか、20分以上だったのか。

そういうことを、あとから数字で見られるだけでも意味があった。

この記録だけでは分からないこと

一方で、この記録だけで「実際の労働時間」を証明できるわけではない。

到着時刻は、職場付近へ入ったことを検出した時刻である。

実際に仕事を始めた時刻とは限らない。

退出時刻も、職場付近から離れたことを検出した時刻であり、実際に仕事を終えた時刻そのものではない。

だから、この数字だけをもとに「未払い労働だった」と断定することはできない。

会社が早出を強制していた、と言い切るための記録でもない。

今回の記録は、あくまで自分の勤務前後の動き方を振り返るための参考記録である。

位置情報記録の誤差と限界

途中で分かった限界もある。

到着はかなり自然に記録されていたが、退出は少し遅れる傾向があった。

以前の途中経過では、職場を出てから約500メートル、時間にして約2分後に退出として記録されることがあった。

また、境界付近では退出と再到着が連続して記録される日もあった。

つまり、位置情報オートメーションは便利だが、完全な打刻機ではない。

厳密な1分単位の勤怠管理として使うには向いていない。

ただし、自分の傾向を見るには十分だった。

入力しなくても残る。

あとから見返せる。

手入力よりも続きやすい。

今回の目的には、そこが一番大きかった。

実験を終えて

この職場へ今後出勤する予定がなくなったため、この実験はここで完了にする。

追加観測はしない。

今回の結果を見る限り、EXP-003の目的だった「職場への到着・退出時刻をスマホでほぼ自動記録できるか」は、成功したと言ってよい。

ただし、成功したのは「労働時間を証明する仕組み」ではない。

成功したのは、「自分がいつ職場付近へ入り、いつ離れたかを、手入力なしで振り返れる仕組み」である。

この違いは大事だと思う。

記録があると、自分の違和感を少し冷静に見られる。

感情だけで「しんどかった」と思うより、記録を見て「このくらい早く着いていたのか」と確認できる。

それだけでも、十分に小さな仕組みとして役に立った。

EXP-003の結論

スマホの位置情報を使えば、職場付近への到着・退出はかなり自動で記録できた。

25勤務日分の記録を残せて、9:00より前の到着や17:00より後の退出の傾向も確認できた。

ただし、これは実労働時間の証明ではなく、位置情報による職場付近への出入りの記録である。

労働時間を断定するためではなく、自分の働き方や違和感を振り返るための参考記録として使う。

この使い方なら、勤務時間だけでなく、副業、勉強、営業訪問、現場作業などにも応用できそうだ。

更新履歴

  • 2026-07-22 EXP-003の結果記事として下書き作成

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