人は、記録した方がよいと分かっていても、面倒だと続かない。
職場では早出が当たり前になっていた。会社へ何かを請求するためではない。ただ、自分が実際に何分早く来て、何時間その場所にいるのかは気になっていた。
しかし、毎日ノートへ書いたり、帰宅後にExcelへ入力したりする方法は続かなかった。記録しないまま時間だけが過ぎた。
そこで今回は、記録する努力を増やすのではなく、スマホを持って移動するだけで記録が残る仕組みを試す。法律判断や会社批判を目的とした記事ではない。面倒で続かない記録を、どこまで自動化できるかを調べる実験である。
この実験について
| 実験ID | EXP-003 |
|---|---|
| 状態 | 実験中 |
| 開始日 | 2026年6月14日 |
| 終了予定日 | 2026年7月14日 |
| 次回確認日 | 2026年6月21日 |
| 優先度 | 高 |
2026年6月17日時点の途中経過
| 記録状況 | 実地で2勤務分の到着・退出を記録 |
|---|---|
| 到着 | ほぼロスなしで記録できている |
| 退出 | 職場を出てから約500m、約2分後に記録される遅れを確認 |
| 現在の判定 | 継続観察。勤務時間の傾向把握には使えそうだが、厳密な打刻としては補正または注意書きが必要 |
| 次回確認 | 2026年6月21日に1週間分の記録漏れ、誤差、手入力時間を確認 |
現時点では、到着記録はかなり使いやすい。一方で、退出記録は少し遅れる。これは失敗というより、位置情報オートメーションの癖として扱う必要がある。もし毎回同じくらい遅れるなら、「退出は約2分遅れ」として補正ルールを作れる可能性がある。
困っていたこと
早出やサービス残業にモヤモヤしている人は多いと思う。ただし、実際にどれくらいの時間なのかを把握するには記録が必要になる。
ここで止まりやすい。出勤時刻と退勤時刻を毎日入力するのは小さな作業だが、疲れている日ほど忘れる。一日抜けると、その後も記録しなくなりやすい。
これは勤務時間だけの問題ではない。副業時間、勉強時間、営業訪問、家計簿、現場作業なども、記録した方がよいが入力が面倒という同じ問題を抱えている。
仮説
iPhoneが職場への到着と退出を検知し、時刻を自動で残せれば、毎日の入力をほぼなくせるのではないか。
完全自動が難しくても、週に一度確認するだけ、または一日一分以内の修正で済むなら、手書きより継続しやすいと考えた。
今回試す三つの方法
1. Googleマップのタイムライン
Googleマップのタイムラインには、訪れた場所や経路が自動保存される機能がある。過去の日付を開き、職場付近への到着時刻と退出時刻が読み取れるか確認する。
これは過去分の確認と、ショートカット記録が漏れた日の補助資料として使う。ただし、位置情報は建物が密集した場所などで誤ることがあるため、タイムラインだけを正解とはしない。
2. iPhoneショートカットの到着・出発オートメーション
ショートカットには、指定場所への「到着」と指定場所からの「出発」をきっかけに処理を実行する機能がある。
職場付近に到着したら「到着, 日付, 現在時刻」、離れたら「退出, 日付, 現在時刻」を一つのメモへ追記する。職場の正確な住所や会社名は記録名に使わず、「勤務場所」とする。
3. 一日一分以内の補正
自動記録が漏れた日だけ、Googleマップのタイムラインや自分の記憶を見て時刻を補う。毎日の完全な手入力には戻さない。
一番簡単な実装方法
最初からGoogleスプレッドシートとの連携は行わない。設定が増えると、記録実験ではなく連携設定の実験になってしまうためである。
初週は、iPhoneのメモに時刻を追記する最小構成で試す。
- iPhoneの「メモ」で「勤務時間ログ」というメモを作る
- 「ショートカット」アプリを開き、「オートメーション」を選ぶ
- 新規オートメーションで「到着」を選ぶ
- 場所は職場周辺を指定し、必要なら地図上の範囲を調整する
- アクションで現在の日付を取得し、日付と時刻の形式に整える
- 「勤務時間ログ」へ「到着, 日付, 時刻」を追記する
- 同じ手順で「出発」のオートメーションを作る
- 通知や実行確認が必要かを、実際の到着・退出時に確認する
位置情報の範囲が狭すぎると検知しない可能性があり、広すぎると近くを通っただけで記録される可能性がある。初週は精度確認を優先する。
Googleマップで過去の履歴を確認する手順
- Googleマップを開く
- プロフィール画像から「タイムライン」を開く
- カレンダーで過去の勤務日を選ぶ
- 職場付近の訪問開始時刻と終了時刻が表示されるか確認する
- 表示されない場合は、タイムラインと位置情報の設定を確認する
タイムラインを新しく有効にすると、Googleマップを開いていない時も正確な位置情報が定期的に保存される。プライバシーとの交換になるため、使う本人が保存範囲、バックアップ、自動削除を確認してから有効にする。
記録する項目
| 項目 | 記録方法 |
|---|---|
| 日付 | 自動 |
| 予定勤務開始時刻 | 初回設定または週次入力 |
| 実際の到着時刻 | ショートカット、補助としてタイムライン |
| 予定勤務終了時刻 | 初回設定または週次入力 |
| 実際の退出時刻 | ショートカット、補助としてタイムライン |
| 早出時間 | 週次集計 |
| 残業時間 | 週次集計 |
| 総拘束時間 | 週次集計 |
| 記録方法 | 自動/タイムライン補正/手入力 |
| 手入力の有無 | 週次確認 |
| 誤差 | 分単位 |
| 気付いたこと | 必要な日だけ短く記録 |
一週間ごとの確認
- 到着と退出が両方記録された日数
- 記録漏れの回数
- 手入力や修正にかかった合計時間
- 実際の感覚と位置記録の誤差
- 近くを通っただけの誤作動
- 記録を見返して早出や拘束時間の傾向が分かるか
初回確認日は2026年6月21日とする。初週でメモへの追記が安定した場合だけ、CSVまたはGoogleスプレッドシートへの集計を次の段階として検討する。
成功条件と失敗条件
成功条件
- 一週間以上、到着・退出時刻をほぼ自動で記録できる
- 手入力が一日一分以内で済む
- あとから早出時間や総拘束時間の傾向を確認できる
失敗条件
- 位置情報が不正確で使えない
- 毎日手入力しなければ記録が完成しない
- 記録漏れや誤作動が多い
- あとから見ても勤務の実態が分からない
この実験で見たいこと
請求する予定がなくても、記録はあった方がよい。記憶だけでは、「たまに早かった」のか「毎回かなり早かった」のかを区別できない。
ただし、正しい記録方法でも面倒なら続かない。人の意志を強くするより、記録しなくても記録が残る仕組みの方が現実的ではないか。
この実験が機能すれば、勤務時間だけでなく、副業、勉強、営業訪問、家計簿、現場作業の記録にも応用できる。まずは一か月、精度、手間、記録漏れを数字で確かめる。
※本実験は個人の時間把握と記録方法の検証を目的としています。法的判断、労働時間の認定、会社への請求方法を扱うものではありません。会社名、施設名、個人名、正確な位置情報は公開しません。
2026年6月14日:設定と手動テスト
Googleマップのタイムライン、端末の位置情報、Googleマップの「常に許可」が有効になっていることを確認した。
iPhoneショートカットには、勤務場所への到着時と出発時に動く二つのオートメーションを作成した。どちらも現在日時をyyyy-MM-dd HH:mm形式に整え、Appleメモの「勤務時間ログ」へ追記する。
- 到着テスト:2026-06-14 21:10 到着
- 退出テスト:2026-06-14 21:24 退出
編集画面からの手動テストでは、到着・退出とも入力操作なしで記録できた。現時点で確認できたのは記録処理そのものの動作であり、勤務場所への移動による位置情報トリガーの自動実行はまだ確認していない。次の勤務日に初回の実地検証を行う。
2026年6月17日:実運用途中経過
実際の勤務日に、到着と退出の自動記録が動いていることを確認した。
- 2026-06-15 08:42 到着 / 17:05 退出
- 2026-06-17 08:36 到着 / 17:04 退出
到着記録は、体感としてほとんどロスがない。勤務場所に着いた時刻として、かなり実用に近い。
一方で、退出記録は実際に職場を出てから約500メートル、時間にして2分ほど遅れて記録されることがあった。位置情報の検知範囲や、iPhone側の判定タイミングが影響している可能性がある。
現時点では、1分単位で厳密な勤務記録として使うには誤差がある。ただし、「自分が何時ごろ着いて、何時ごろ出ているのか」を後から確認する用途なら十分使える。
この実験は、完全な勤怠管理を作ることではない。面倒で続かなかった記録を、どこまで自動で残せるかを見る実験として継続する。
更新履歴
- 2026-06-14 初版公開
- 2026-06-17 実運用途中経過を追記。到着はほぼズレなし、退出は約500m・2分程度の遅れを確認。
2026年6月18日追記:到着は正確、退出は約2分ずれる
勤務時間ログは、実際に動き始めている。
到着については、ほとんどロスなく記録できている。一方で、退出は職場を出てから約500メートル、時間にして約2分ほど遅れて記録されることを確認した。
このズレは、現時点では許容範囲と考えている。目的は1分単位で争うことではなく、自分がどれくらい早く着き、どれくらいの時間拘束されているのかをざっくり把握することだからだ。
- 到着:かなり正確
- 退出:約500メートル、約2分の遅れあり
- 手入力:今のところ不要
- 判定:継続観察
この実験で大事なのは、完璧な勤怠管理を作ることではない。面倒で続かなかった記録が、ほぼ自動で残るかどうかを見ることだ。

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