GPTのライブ音声を使って、物件巡回を一問一答で進めるテストをしました。
今回は、空き家・別荘管理の初回巡回を想定した実験です。ただし、本当の空き家ではありません。僕がいま住んでいる、伊豆で100万円で買った家を使って試しました。
なので、この記事で分かったことは「居住中の自宅を使った初回テストでは、ここまでできた」という範囲です。実務でそのまま使えるとか、手書きより速いとか、項目漏れが減ったとまではまだ言えません。
先に19項目を用意した
最初に、空き家・別荘の初回巡回を想定して、19項目のチェック項目を作りました。
外周、屋根、基礎、玄関や窓、庭、郵便受け、室内、雨漏り跡、カビや臭い、水回り、設備、今回確認できなかったこと、次回確認したいこと。ざっくり言えば、現地を一通り見るための質問リストです。
紙に印刷して持って歩く方法も考えましたが、今回はGPTのライブ音声に一問ずつ聞いてもらう形にしました。
GPTに一問ずつ聞いてもらう
やったことはシンプルです。
- GPTのライブ音声を起動する
- GPTに一問ずつ質問してもらう
- 僕は家の外周や室内を歩きながら口頭で答える
- 必要な場所では写真を撮る
- 写真番号もその場で口頭で伝える
- 最後に回答内容を整理してもらう
たとえば、玄関側を見たら「玄関側の写真1です」、気になる設備があれば「写真4です」と言う。そうすると、あとでGPTが回答内容と写真番号をまとめてくれます。
紙のチェックシートを見ながら歩かなくてよかったのは、かなり楽でした。スマホ画面をずっと見なくても、GPTが次の項目を聞いてくれる。自分で「次は何を見るんだっけ」と探さなくてよいのは、一問一答方式の分かりやすい利点でした。
写真15枚入りのレポートまでは作れた
今回のテストでは、最終的に写真15枚を使った管理レポートまで作りました。A4で9ページです。
レポートでは、回答内容を次の3つに分けました。
- 観察事実
- 未確認事項
- 要確認事項
この分類は使いやすかったです。見たこと、見ていないこと、次に確認することを分けておくと、報告書っぽくなります。少なくとも、初回の基準記録として残す形にはできました。
今回作成したPDFはこちらです。
ただし、このPDFは今回のテスト記録です。居住中の自宅で試したものなので、住所や生活情報が分かるような使い方はしません。この記事では、レポート全体の作り方を見るための資料として扱います。
便利だったところ
一問一答方式は、使えなかったわけではありません。
特によかったのは、順番に確認できることです。GPTが次の質問を出してくれるので、紙を持って読み上げる必要がありません。スマホ画面を見続ける必要もありません。
写真番号をその場で口に出して紐付けられるのも便利でした。あとから写真だけを見ると、「これは何の写真だっけ」となりがちです。撮った直後に「写真4、用途未確認の機器」と言っておけば、少なくともその時点の意図は残ります。
ゆっくり確認する作業には向いていそうです。たとえば、初回の状態確認や、慣れていない物件の確認では、一問ずつ聞かれる方が安心できる場面もありそうです。
19回の受け答えは少し重かった
一方で、19項目すべてを一問ずつ聞かれると、会話の往復は多く感じました。
自分のペースで外周をぐるっと見て回るより、作業が細かく区切られる感じがあります。見る、答える、次を聞く、移動する、また答える。これを何度も繰り返すので、テンポは少し落ちます。
これは悪いことだけではありません。急がず確認するには向いています。でも、慣れた作業を連続して進めたい時には、別の入力方法も試す価値がありそうです。
方位と場所名が混ざった
今回の失敗として、場所の呼び方が途中で曖昧になりました。
「玄関側」「西側」「東側ベランダ」のように、相対的な場所名と方位が混ざったのです。自分では分かっているつもりでも、あとで報告書にすると、読み手には分かりにくくなります。
次回は、方位ではなく、物件を見た時の呼び方を固定するつもりです。
- 正面(玄関側)
- 右面
- 裏面
- 左面
- 室内
- 水回り
方位が必要な場合は別で確認すればいい。まずは、現場で迷わず言える呼び方にそろえた方が、音声入力には合いそうです。
人間の推測が、整った報告文になる
今回いちばん気になったのは、AIのミスというより、人間側の話し方です。
口頭で答える時、僕はつい推測を混ぜて話しました。
- トイレのポンプと思われる機器
- カビっぽい箇所
- ワックスが取れたように見える跡
これは、AIが勝手に作ったわけではありません。僕がそう口にしたものを、GPTが整った報告文の形へ整理したものです。
でも、整った文章になると、推測が事実のように見えやすい。
本当は「用途不明の機器」「緑色または黒色の付着物」「床の色または光沢のむら」と書く方が安全です。原因や種類は未確認として残した方がいい。
音声入力では、ここが少し怖いところでした。人間が雑に言った推測が、AIによってきれいに整えられる。きれいになるぶん、確認済みの事実に見えてしまう。
居住中の自宅では再現できないことも多い
今回は自宅を使ったテストなので、空き家特有の条件は再現できていません。
生活用品や家具が写ります。普段住んでいるので、長期不在による臭い、郵便物の滞留、通水や排水の確認、施錠状態の確認なども、本当の空き家とは条件が違います。
そのため、今回の結果を「空き家管理でそのまま使える」とは言えません。あくまで、GPTライブ音声を使った巡回記録の入力方法を、自分の家で試した段階です。
初回巡回と定期巡回は違う
もう一つ、今回は初回巡回です。比較対象がありません。
初回巡回では、「今どうなっているか」を広く見ることが中心になります。一方、定期巡回では「前回から何が変わったか」を見ることが中心になるはずです。
今回の一問一答方式が、定期巡回でも同じように使いやすいかはまだ分かりません。前回写真との比較、変化があった場所だけの報告、通常時は省略してよい項目など、定期巡回には別の設計が必要になりそうです。
今日分かったこと
今日の段階で言えるのは、ここまでです。
- GPTライブ音声で、19項目を一問一答で巡回できた
- 写真番号を口頭で対応させられた
- 回答を観察事実、未確認事項、要確認事項に整理できた
- 写真15枚入りのレポートを作れた
- 紙や画面を見続けずに進められた
- 一方で、19回の往復は少し重く感じた
- 人間の推測が整った報告文になる危険があった
- 方位と場所名が混ざると、あとで分かりにくくなる
逆に、まだ言えないこともあります。
- 手書きより速い
- 手書きより楽
- 一問一答が最適
- 実務でそのまま使える
- 他の業種でも有効
- 項目漏れが本当に減る
漏れにくいと感じた部分はあります。ただし、実際に手書き方式と比べて漏れを測ったわけではありません。
次はゾーン方式を試す
次は、一問一答ではなく、建物をいくつかのゾーンに分けて話す方式を試す予定です。
たとえば、正面、右面、裏面、左面、室内、水回りのように分けます。僕がそのゾーンで見たことをまとめて話し、ゾーンを離れる前にGPTが不足項目だけ確認する形です。
こちらの方が便利かどうかは、まだ分かりません。ただ、今回の一問一答方式で感じた「往復の多さ」は減らせるかもしれません。
まずは、今回のテストをそのまま記録しておきます。GPTライブ音声で物件巡回を一問一答で進めることはできた。ただし、入力の軽さ、推測表現の扱い、場所名の固定、初回巡回と定期巡回の違いは、次に試す課題として残りました。


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