私は43歳の宅建士で、伊東市に移住して2年になります。
現在住んでいるのは、伊東市で購入した築37~38年、価格100万円の中古住宅です。土地は約50坪、建物は約60㎡。家からは海が見えます。
100万円で家を買えたことには満足しています。しかし、購入後の修繕は想像していた以上に大変でした。購入当初は使えるトイレさえなく、DIYでは煙突を通す穴の位置を間違えました。
この記事では、実際の購入費用、物件の状態、DIY、住み心地、後悔したことを紹介します。
格安物件の購入をおすすめするための記事ではありません。良い点と悪い点の両方を、実際に購入して暮らしている立場からお伝えします。
※物件の特定を避けるため、住所など一部の情報は公開していません。
伊東市で100万円の家を購入した理由
購入を決めた大きな理由は、価格が100万円だったことと、家から海が見えたことです。
伊豆で安い家を探していても、価格、立地、建物の状態がすべて希望に合う物件は簡単には見つかりません。
価格が安くても、土地が狭い、管理費が高い、車で入りにくいといった問題を抱えている物件もあります。
購入した家は築37~38年と古く、修繕が必要な状態でした。それでも、約50坪の土地と約60㎡の建物があります。そして、家から海が見えました。
宅建士として権利関係や接道などを確認したうえで、「100万円なら、自分で直しながら暮らせるのではないか」と考えました。
ただし、今振り返ると、100万円という価格に気持ちを押された部分もあったと思います。
安いから即決したわけではありませんが、「この価格なら挑戦できる」という気持ちが、最後の決め手になりました。
購入時の物件概要
購入した物件の概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 静岡県伊東市 |
| 購入価格 | 100万円 |
| 築年数 | 約37~38年 |
| 土地面積 | 約50坪 |
| 建物面積 | 約60㎡ |
| 固定資産税 | 年間約1万8,000円 |
| 空き家期間 | 不明 |
| 購入の決め手 | 海が見える・価格が安い |
土地と建物の広さだけを見れば、100万円はかなり安いと思います。
しかし、「家が建っていること」と「すぐに生活できること」は同じではありません。
購入当初、この家には使えるトイレがありませんでした。壁紙が古い、床が汚れているといった問題とは深刻さが違います。
格安物件では、建物の外観や間取りだけでなく、水道、排水、電気、トイレなど、最低限の生活設備を実際に使えるか確認する必要があります。
実際にかかった総額
物件価格は100万円でしたが、購入時に必要だった総額は約150万円です。
物件価格以外に、契約、登記、仲介などの諸費用がかかりました。100万円だけを用意すれば購入できるわけではありません。
さらに、購入後に行った大工工事には約50万円かかりました。これが最も高かった修繕です。このほかにも、DIYの材料や工具などの費用が発生しています。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 物件価格 | 100万円 |
| 諸費用を含む購入時の総額 | 約150万円 |
| 購入後の大工工事 | 約50万円 |
| 固定資産税 | 年間約1万8,000円 |
| DIY材料・工具 | 別途必要 |
購入時の約150万円と、その後の大工工事約50万円を合わせると、少なくとも約200万円です。DIY費用なども含めれば、実際の支出はさらに増えます。
年間1万8,000円の納付書を見て思ったこと
固定資産税の納付書が届いたとき、税額は年間1万8,000円でした。
東京で家賃を払っていた頃の自分なら、1か月分にも満たない金額です。
もちろん、家を所有すれば修繕費がかかります。屋根や外壁、設備に問題が起きても、大家さんが直してくれるわけではありません。
それでも納付書を見たとき、私は率直にこう思いました。
「ああ、これなら生きていけるかもしれない」
家を買ったことで、住居費がゼロになったわけではありません。ただ、毎月必ず出ていく家賃から離れられたことは、私にとって金額以上の安心感がありました。
購入後に判明した問題点
最初に直面した大きな問題は、使えるトイレがなかったことです。
トイレを設置するまでの数週間は、災害用トイレとペットシーツを使って生活しました。
ペットシーツは、犬のクロムのために買ってあったものです。まさかそれが、自分の生活を支えることになるとは思いませんでした。
今だから書ける話ですが、当時は笑い話ではありません。
家を100万円で買えても、トイレが使えなければ普通の生活はできません。「安く家を所有できること」と「快適に暮らせること」は別の話です。
古い家では、工事を始めてから新しい問題が見つかることもあります。一部分を外したところ、その周囲も傷んでいたということは珍しくありません。
購入前には「自分で少しずつ直せばよい」と考えていました。しかし、実際には予想以上の時間、体力、費用が必要でした。
私は宅建士ですが、宅建士の知識だけで建物のすべてを判断できるわけではありません。
権利関係や取引条件を確認する知識と、屋根、基礎、構造、給排水などの状態を判断する知識は別です。格安物件ほど、大工や建築士など専門家の意見が重要になると実感しました。
DIYで改善したこと
購入後は、次の場所を中心にDIYで改善しました。
- 屋根
- 外壁
- ベランダ
- トイレ
- エアコン周辺
内装の見た目よりも、まず雨風を防ぐ部分と生活に必要な設備を優先しました。
屋根や外壁は、建物を守るために重要です。傷みを放置して雨水が入れば、内部の木材まで劣化し、修繕範囲が広がる可能性があります。
ベランダも雨や紫外線の影響を受けやすいため、状態を確認しながら手を入れました。トイレは生活を始めるために、特に優先度の高い作業でした。
煙突の穴を間違えた
DIYで最も大きな失敗は、煙突の位置を間違えたことです。
位置を決め、煙突を通すための穴を開けました。しかし、開けた後で位置が間違っていることに気づきました。
穴は、簡単には元に戻りません。
材料が無駄になるだけでなく、開けた穴をふさぐ作業も必要です。自分で家に開けた間違った穴を見たときは、かなり落ち込みました。
DIYは、自分の判断で家を自由に変えられます。その代わり、失敗してもすべて自己責任です。
特に屋根や壁に穴を開ける作業では、寸法だけでなく、柱や梁、煙突周辺の離隔、雨仕舞いなども考える必要があります。内容によっては、専門業者へ依頼すべきです。
この失敗以降、元に戻しにくい作業については、一度測っただけで施工せず、時間を置いて再確認するようになりました。
実際に住んでみた感想
伊東市の夏は、私が想像していたより比較的過ごしやすいと感じています。
暑い日はありますが、立地や風通しによっては、東京に住んでいた頃より楽に感じる日もあります。海が見える環境も、この家を買って良かったと思える部分です。
一方、冬は寒いです。
築37~38年の家なので、新しい住宅のような断熱性や気密性はありません。窓や床から冷気を感じることがあり、暖房を使っても室内全体が暖まりにくい場合があります。
格安物件の住み心地は、購入価格や内見だけでは判断できません。夏の湿気、冬の寒さ、風の強さ、日当たりなどは、実際に季節を通して暮らして分かることがあります。
自然が近く、静かな環境には満足していますが、新しい家と同じ快適性を求めるなら、断熱を含めた追加工事が必要です。
買って良かったこと
最も良かったのは、100万円という価格で土地と家を所有できたことです。
約50坪の土地と約60㎡の建物があり、海も見えます。固定資産税は年間約1万8,000円です。
賃貸住宅と違い、原状回復を気にせずDIYできます。失敗の責任も自分にありますが、どのような家にするかを自分で決められる自由があります。
また、毎月の家賃を払い続ける生活から離れたことで、働き方や生活費について感じていた不安が少し軽くなりました。
この家は完成された快適な住宅ではありません。それでも、自分の手で少しずつ暮らせる場所に変えていくことには、費用だけでは測れない価値があります。
後悔したこと
最大の後悔は、修繕が思っていたより大変だったことです。
購入前から修繕が必要だとは分かっていました。しかし、実際に始めると、作業範囲、材料費、時間、体力のすべてが想定を上回りました。
大工工事には約50万円かかりました。自分で行ったDIYにも、材料費と作業時間が必要です。煙突の位置を間違える失敗もありました。
100万円で購入した家に50万円の工事をすれば、修繕費だけで物件価格の半分です。
家が安くても、材料費や職人の工賃まで安くなるわけではありません。屋根、外壁、給排水などに大きな問題があれば、修繕費が購入価格を超える可能性もあります。
今なら購入前に、「何を直せば生活できるか」「業者へ依頼する部分はいくらか」「自分の時間をどれだけ使えるか」を、さらに細かく確認します。
どんな人に向いているか
伊豆の格安物件は、次のような人に向いていると思います。
- 古い家の不便さを受け入れられる人
- DIYや修繕自体を楽しめる人
- 時間をかけて家を改善できる人
- 購入費用とは別に修繕資金を用意できる人
- 車を使う生活に対応できる人
- 将来売却できない可能性も受け入れられる人
反対に、購入後すぐ快適に暮らしたい人や、休日を修繕に使いたくない人には向いていません。
DIYが好きでも、高所、電気、ガス、構造に関係する工事は別です。失敗した場合の被害が大きい作業は、専門家への依頼を前提にしたほうがよいでしょう。
セカンドハウスとして購入する場合も、使わない期間の換気、庭、台風後の点検などが必要です。住んでいなくても、所有者としての管理は続きます。
まとめ
私は伊東市で、築37~38年、土地約50坪、建物約60㎡の家を100万円で購入しました。
諸費用を含む購入時の総額は約150万円。その後、最も高い修繕として大工工事に約50万円かかりました。購入当初は使えるトイレがなく、数週間は災害用トイレと犬のクロム用のペットシーツで生活しました。
屋根、外壁、ベランダ、トイレなどをDIYで改善する一方、煙突の穴を間違える失敗もしました。
修繕は、想像していたより大変でした。これが最大の後悔です。
それでも、「同じ条件でもう一度買うか」と聞かれたら、私は買います。
海が見える自分の家を持てたこと。年間1万8,000円の固定資産税の納付書を見て、「これなら生きていけるかもしれない」と思えたこと。それらは、修繕の苦労を含めても大きな意味がありました。
100万円の家は、100万円で完成した暮らしを買うものではありません。
購入諸費用、修繕費、維持費、作業時間を引き受けながら、自分で暮らせる場所に変えていく家です。
安さだけで選ぶのはおすすめしません。それでも、古い家の不便さや修繕まで含めて受け入れられる人にとっては、低い住居費で生活を立て直す一つの選択肢になると思います。
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